股関節唇損傷とは【スポーツ障害】ケガを克服して強くなって復帰する

結論ですが

股関節唇損傷とは、股関節を形成している寛骨のくぼんでいる部分である「寛骨臼」の縁にある関節唇と呼ばれる軟部組織が損傷した状態です。

この記事は「スポーツ障害について知りたい方」に向けて書いています。
スポーツ障害に対する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「股関節唇損傷」についてわかります。

股関節唇損傷って何ですか?

このような疑問にお答えします。

では、股関節唇損傷とは何ですか?

ということで、今回は「股関節唇損傷」について説明していきます。

股関節唇損傷とは

股関節唇損傷とは、股関節を形成している寛骨のくぼんでいる部分である「寛骨臼」の縁にある関節唇と呼ばれる軟部組織が損傷した状態です。

股関節を形成している寛骨のくぼんでいる部分である「寛骨臼」があります。
「寛骨臼」の縁に関節唇と呼ばれる軟部組織があります。

関節唇は、股関節の安定性を保ち、摩擦なく動かせるようにする役割を担っています。

股関節唇損傷は、その関節唇と呼ばれる軟部組織が損傷した状態をいいます。

股関節唇損傷の原因として、
スポーツで股関節を激しく動かす(脚を広げる、関節を曲げるなど)、オーバーユース、
寛骨臼形成不全症(生まれつき骨盤と臼蓋がうまく噛み合わない状態)、大腿骨や寛骨臼の形態異常により骨と骨がぶつかり合う大腿寛骨臼インピンジメント(FAI)などがあります。

股関節唇損傷とは、股関節を形成している寛骨のくぼんでいる部分である「寛骨臼」の縁にある関節唇と呼ばれる軟部組織が損傷した状態です。

2.股関節唇損傷の症状

股関節唇損傷の症状として、股関節の痛み、股関節の違和感、股関節の詰まり感、股関節のクリック音、股関節の可動域制限などがあります。

股関節唇には痛みを感じる神経が通っているため、股関節唇を損傷すると股関節に痛みが生じます。とくに、股関節を曲げたり、伸ばした時などに股関節や鼠径部に痛みを感じます。
また、長時間立ちっぱなしや座りっぱなしで作業していると痛みを感じやすいです。

また、関節唇が損傷すると、関節を動かすと損傷した関節唇が接触することから、股関節に違和感を感じたり、詰まり感や、クリック音がするなどの症状が起こります。
損傷した関節唇や、痛みなどによって股関節の可動域が制限されてしまうケースもあります。

関節唇が損傷すると、長期的に関節軟骨がすり減ることにもつながります。
重度になると、変形性股関節症などにつながり、人工関節などが必要なケースになってしまうこともあります。

股関節唇損傷の症状として、股関節の痛み、股関節の違和感、股関節の詰まり感、股関節のクリック音、股関節の可動域制限などがあります。

3.股関節唇損傷の治療

股関節唇損傷の治療には、手術療法と保存的治療があります。

症状が重度の場合、関節の可動域に強く制限がかかる場合、アスリートや一流スポーツ選手などの場合では、手術による治療を行う場合が多いです。
関節鏡手術によって、損傷した関節唇を縫合して修復して治療します。関節唇が欠損していたり、縫合ができない場合は、腸脛靭帯などを利用して関節唇の再建術を行います。
また、先天的な形態異常がある場合には、大腿骨頭の変形や骨棘などを骨切術などの併せて行います。
関節唇は治りにくい組織であり、修復されるまで時間がかかります。関節唇が治るまでに術後3ヵ月程度かかります。
その後、徐々にリハビリを開始し、競技に復帰するまで「約1年」くらいかかることが多いです。

保存的治療では、痛みを軽減することと、股関節の安定性を向上するためのリハビリがメインになります。
関節唇損傷によって生じる痛みをやわらげるため、NSAIDsなどの痛み止めの内服薬や湿布薬などを使用します。
また、股関節周りの筋力トレーニングを行い、股関節の安定性を向上します。
また、筋肉のストレッチやマッサージなどを行い、筋肉の柔軟性を向上し、関節の可動域訓練なども行います。

股関節唇損傷の手術適応

症状が重度である

股関節唇損傷の手術適応として「症状が重度であること」があります。

股関節唇損傷の症状として、股関節の痛み、股関節の違和感、股関節の詰まり感、股関節のクリック音、股関節の可動域制限などがあります。


とくに、股関節の違和感や詰まり感、可動域制限が著しい場合には、損傷した関節唇が関節の動きを妨げている場合が多いです。
股関節の痛みに関しては、自然に改善することがあります。
しかし、損傷した関節唇は残念ながら自然治癒することはないです。
関節の動きを妨げるような損傷した関節唇が存在する場合には、手術による治療が必要になります。

股関節唇損傷の手術適応として「症状が重度であること」があります。

保存的療法で治療されない

股関節唇損傷の手術適応として「保存的療法で治療されないこと」があります。

損傷した股関節唇は、残念ながら自然治癒することはないです。
しかし、保存的療法によって、股関節の痛みを改善することは可能です。

保存的療法では、手術以外の治療法を試みます。
関節唇損傷によって生じる痛みをやわらげるため、NSAIDsなどの痛み止めの内服薬や湿布薬などを使用します。
また、股関節周りの筋力トレーニングやストレッチ運動などを行って股関節の安定性を向上するためのリハビリが行われます。

約3ヵ月程度で損傷した関節唇は修復するとされています。
しかし、完全に元通りには戻りません。
股関節の動作によって、損傷した関節唇によって炎症を引き起こし痛みが生じる場合や、関節の可動域制限などの症状が改善しない場合には、手術による治療が必要になります。

なお、関節唇損傷がきっかけとなり、関節軟骨の摩耗が進み、変形性股関節症につながるとされています。重度になると、人工関節置換手術などが必要になります。

股関節唇損傷の手術適応として「保存的療法で治療されないこと」があります。

アスリートであること

股関節唇損傷の手術適応として「アスリートであること」があります。

スポーツによって生計を立てているようなプロのアスリートの場合、股関節唇損傷は選手生命に関わるようなスポーツ障害です。
損傷した股関節唇は、残念ながら自然治癒しません。根本的な治療は手術による治療くらいしかありません。

関節唇の存在によって、股関節の動きがスムーズにしてくれたり、股関節自体が守られています。
体を動かす仕事をしていると股関節に強い衝撃が加わるような動作をすることがあるかと思います。

股関節の違和感があったり、可動域に制限があると、パフォーマンスを発揮することが困難になります。
症状を抱え込みながら、いつものトレーニングを行うと、変なクセがついてしまう可能性がありますし、別の部位に負担がかかり新たなスポーツ障害を引き起こしてしまう恐れがあります。

プロスポーツ選手として、競技を行っている方は、基本的には手術による治療が必要になります。

股関節唇損傷の手術適応として「アスリートであること」があります。

股関節唇損傷のリハビリ

筋力トレーニング

股関節唇損傷のリハビリとして「筋力トレーニング」があります。

股関節唇損傷においては、無理のない範囲で筋力トレーニングを行うことが重要です。
とくに、骨盤まわり・股関節周りの筋力トレーニングを行い、股関節の安定性を向上します。
ただし、股関節唇損傷を受傷して間もない時期は、炎症して股関節に痛みを伴いますので無理をしないようにします。
急性期の痛みが和らいだら、痛みが生じない範囲で体を動かしていきます。
痛みが生じる関節の角度などあれば、それを避けるようにします。
股関節の屈曲・伸展、外転・内転、回内・回外など、様々な動きと角度を試しながら慎重に行っていくようにします。

スポーツ選手では、自分の競技の動きにおいて重要な筋肉を重点的にトレーニングします。
また、股関節唇損傷によって、股関節がうまく使えないと、運動不足になりがちです。
痛みが生じない範囲で、運動を少しずつ行っていくことも重要です。

股関節唇損傷のリハビリとして「筋力トレーニング」があります。

ストレッチ運動

股関節唇損傷のリハビリとして「ストレッチ運動」があります。

股関節唇損傷においては、股関節まわりの筋肉の柔軟性を高めることが重要です。
骨盤まわり・股関節周りには、多くの筋肉が集まっています。

屈曲に関わる、腸腰筋、大腿四頭筋、縫工筋、大腿筋膜張筋、中殿筋前部、内転筋群
伸展に関わる、大殿筋、ハムストリングス、大腿直筋
内転に関わる、大内転筋、長内転筋、短内転筋、恥骨筋、薄筋
外転に関わる、中殿筋、小殿筋、大腿筋膜張筋
内旋に関わる、中殿筋、小殿筋、内転筋群
外旋に関わる、外旋六筋(梨状筋・上双子筋・下双子筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋・大腿方形筋)

などの様々な筋肉から成り立っています。
筋肉が硬くなってしまうと、筋肉の柔軟性が低下し、運動に伴う股関節へのダメージが大きくなります。筋肉が硬くなると、関節唇への負担も大きくなってしまいます。
ストレッチ運動によって、それぞれの筋肉をしっかりと伸ばして、柔軟性を高めておくことが大切です。
関節の可動域が広がりますし、関節唇損傷が再発するのを防ぐ効果も期待できます。

股関節唇損傷のリハビリとして「ストレッチ運動」があります。

マッサージ

股関節唇損傷のリハビリとして「マッサージ」があります。

繰り返しですが、筋肉が硬くなってしまうと、筋肉の柔軟性が低下し、運動に伴う股関節へのダメージが大きくなります。筋肉が硬くなると、関節唇への負担も大きくなってしまいます。
とくに、スポーツ選手で、激しいトレーニングなどを行っている方は、しっかりとマッサージを行い、筋肉をほぐすようにしましょう。

股関節周りの筋肉が硬くなっている場合「筋膜リリース」を重点的におこなって、股関節への負担を軽減しましょう。
トレーニングによって酷使された場合、筋肉は硬くなって、筋膜と骨膜とが炎症によって癒着しているケースもあります。
そのような場合、筋膜リリースするのに痛みを伴うかと思いますが、しっかりとケアしないと、股関節だけでなく、疲労骨折などにもつながるため注意が必要です。

股関節唇損傷のリハビリとして「マッサージ」があります。

まとめ

今回は「股関節唇損傷」について説明しました。

この記事によって「股関節唇損傷」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/

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