・ケガをしてしまいました!
・故障中にもできるトレーニングメニューが知りたいです。
・ケガしていても体力を落としたくないです。
この記事を読むことによって、ランナーがケガをしたときのトレーニングメニューについて分かります。
私はドクターランナーの立場として、マラソンランナーのサポートを長年させて頂いております。
ケガをしてしまった場合は、ケガを治療することを最優先にするべきです。
しかし、今まで毎日のようにトレーニングしていたランナーにとって、練習ができない日々というのは大変ツライという気持ちが心から分かります。

ケガをしてしまった場合は、基本的にはケガの治療を最優先に考えましょう。
ケガをしていても、やれることはないだろうか?
ということで、今回は「ランナーがケガをしたときのトレーニングメニュー」について見ていきましょう。
ケガの時のトレーニングのポイント
ケガの治療を最優先に考える

ケガの時には、ケガの治療を最優先に考えましょう。
トレーニングを継続したい気持ちは分かりますが、治療のために安静が必要な場合は、指示を守りましょう。
体力の向上ではなく、ケガの治療とリハビリ、機能回復をターゲットにすると、マインドセットを変えましょう。
痛くない範囲内で行う

ケガの時のトレーニングは痛くない範囲内で行いましょう。
痛みというのは生体アラームの一つです。
「痛みが生じている」ということは避けるべき動作だと体が教えてくれているのです。
なお、痛いのに無理してトレーニングをすると、ケガの治りを遅くしてしまい、ケガが長引く原因にもなるので注意しましょう。
できる動作を無理のない範囲で

ケガの時のトレーニングは、できる動作を無理のない範囲で行いましょう。
ケガの時に、無理してしまうと、体に思わぬ負荷がかかります。
アドレナリン、エンドルフィンなど脳内物質が分泌し、痛みなどが分からなくなってしまう恐れがあります。
痛みや違和感があれば、トレーニングを中止しましょう。
症状が継続する場合には、医師の診察をうけると良いでしょう。
ケガでも出来る動作別のトレーニングメニュー
バイク

ケガでもバイクを漕ぐ動作が出来る場合には、「バイクトレーニング」をオススメします。
バイクが使うと、ランニングにつながる様々なトレーニングができます。
普通に、同じペースで漕ぎ続けるのも良いですし、「高強度インターバル」で心肺機能を追い込んでもいいでしょう。
うまく活用すれば、ランニングに匹敵するトレーニング負荷をかけることができます。

ウォーキング

ケガでもウォーキングが出来る場合には、「ウォーキング」をオススメします。
ランニングできない場合、消費カロリーが一気に減るため、体重が増えがちです。
ウォーキングによって、長時間運動すると、体重増加を抑えることができます。
また、脂質代謝を促すことができますし、運動習慣を途絶えずにすみます。
水泳

ケガでも水泳が出来る場合には、「水泳」をオススメします。
水中では、重力の影響が少ないため、体への負担が軽くなります。
とくに関節への負担が少なくなり、膝や腰への負荷を軽減できるため、ケガの回復期におけるリハビリにも最適です。
長時間のスイム動作や息継ぎなどによって、全身の筋肉がバランス良く鍛えられ、心肺機能が刺激されます。
また、長時間の有酸素運動によってカロリーが消費され、体重増加を抑えることができます。
筋力トレーニング

ケガの場合には「筋力トレーニング」をオススメします。
筋力トレーニングは、様々な種目があるため、ケガの部位によって選ぶといいでしょう。
下半身の場合、「スクワット」「ランジ」「デッドリフト」「カーフレイズ」など痛みがない範囲で行います。
また、体幹部や上半身は動かせるケースが多いかと思います。
「プランク」「ドローイン」「腹筋」「背筋」「呼吸筋トレーニング」などオススメです。

ケガの部位別のトレーニングメニュー
足関節

足関節のケガをした場合には、足関節に負担のかからないような筋力トレーニング、バイク、水泳などがオススメです。
筋力トレーニングでは、足関節に負担かからない種目を選びましょう。
体幹部を中心として、下半身も痛みがない範囲で行いましょう。
バイクでは、足関節を動かないように、固定した上で行うといいでしょう。
ペダルは踵寄りに力を加えるようにすると足関節の動きを最小限におさえることができます。
水泳では、バタ足動作で足関節が痛む場合には、無理しないで控えましょう。
水中歩行をするだけでも、良い運動になります。
ただし、骨折している場合には、急性期は足関節はズレないように固定し、安静にするようにしましょう。
膝関節

膝関節のケガをした場合には、膝関節に負荷をかけないような筋力トレーニング、水泳、ウォーキングなどがオススメです。
筋力トレーニングでは、膝関節に負担かからない種目を選びましょう。
体幹部を中心として、下半身も痛みがない範囲で行いましょう。
痛むときにはオススメしませんが、大腿四頭筋の筋力強化が膝のケガ予防に効果的です。
水泳では、膝の曲げ伸ばし動作の少ない泳ぎ方で、動き続ける時間を少しずつ伸ばしていきましょう。
ウォーキングは、体幹から股関節にかけての動きを意識して、膝に負担がかからないように行うといいです。
ただし、骨折している場合には、膝関節は安静にするようにしましょう。
股関節

股関節のケガをした場合には、股関節に負担のかからないような筋力トレーニング、バイク、水泳などがオススメです。
筋力トレーニングでは、股関節に負担かからない種目を選びましょう。
体幹部を中心として、下半身も痛みがない範囲で行いましょう。
股関節のケガは、大腿筋膜張筋のハリが原因のことがあるため、マッサージなどでほぐすことが大切です。
股関節が痛い場合でも、バイクはできることがあります。
バイクでは、痛みが落ち着いていれば「高強度インターバルトレーニング」などオススメです。
水泳やウォーキングは、股関節に負担がなく、長時間の運動ができます。痛みがない範囲で、少しずつ運動時間を伸ばしていくといいでしょう。
ただし、骨折している場合には、股関節は安静にするようにしましょう。
まとめ
今回は「ランナーがケガをしたときのトレーニングメニュー」について説明しました。
ケガをして、思うようにトレーニングできない期間はツライかと思います。
ケガの治療を最優先にするのが原則ですが、ケガでも出来るトレーニングを見つけて、体力の低下を少しでも食い止めることが出来れば幸いです。
ケガを乗り越えたら、きっと一つレベルが上がっていることでしょう。
今はグッと耐えて、出来ることをコツコツと積み上げていってください。
この記事によって「ランナーがケガをしたときのトレーニングメニュー」についての理解が深まり、一人でも多くのランナーに役立つことを願っています。
この記事の著者
