・ランナーですが、どのような筋トレがいいですか?
・筋肉を鍛えるために、どのようなことをすればいいですか?
・速く走るために、どのように鍛えるといいですか?
この記事を読むことによって、速く走るための筋力トレーニングについて知ることができ、マラソンのタイムを伸ばすヒントが見つかります。
私はドクターランナーの立場として、マラソントレーニングに関してスポーツ科学とメディカル科学の両面から研究しています。
速く走るためには「筋力トレーニング」をうまく活用することが重要です。

ランナーも筋力トレーニングを活用できれば、今以上に速く走ることができます。
では、ランナーにとって、どのような筋力トレーニングを行えばいいですか?
ということで、今回は「ランナーにオススメの筋力トレーニング」について説明します。
ランナーにおすすめの筋力トレーニング
スクワット

ランナーにオススメの筋トレとして「スクワット」があります。
スクワット
1.足を肩幅に広げる
2.背中にバーをかつぐ
3.股関節を曲げてお尻を真下に下ろす
4.顔を上げて胸を張り背筋を伸ばす
5.股関節を伸ばして元の姿勢に戻す
鍛える筋肉:大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋など
足をベンチにかけて片足ずつ交互におこなう「ブラジリアンスクワット」
下半身を深く沈めて片足ずつ行う「スプリットスクワット」
「ランジスクワット」などのアレンジがあります。
ランジ

ランナーにオススメの筋トレとして「ランジ」があります。
ランジ
1.足を肩幅に広げる
2.大きく前に一歩踏み出す
3.腰を曲げ体を下げてしゃがむ
4.後ろ足で地面を押して元に戻る
鍛える筋肉:大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングスなど
デッドリフト

ランナーにオススメの筋トレとして「デッドリフト」があります。
デッドリフト
1.足を肩幅に広げる
2.膝を曲げてバーベルをにぎる
3.胸を張り、肩甲骨を寄せる
4.背中を意識してバーベルを上げる
5.ゆっくりと膝下くらいに戻す
鍛える筋肉:ハムストリングス、大臀筋、広背筋、脊柱起立筋など
プランク

ランナーにオススメの筋トレとして「プランク」があります。
プランク
1.両肘と両膝を地面につける
2.つま先を立てて膝を伸ばす
3.背筋を床と平行にして維持する
鍛える筋肉:腹直筋・腹横筋・腹斜筋・脊柱起立筋など体幹部の筋肉
横になっておこなう「サイドプランク」
腰を高くする「ハイプランク」
片足ずつ交互におこなう「片足プランク」
仰向けでおこなう「ハイリバースプランク」などのアレンジがあります。
カーフレイズ

ランナーにオススメの筋トレとして「カーフレイズ」があります。
カーフレイズ
1.壁の前に立つ
2.足を肩幅に広げる
3.壁に手を添えて、かかとを上げる
4.かかとを地面すれすれまで下げる
鍛える筋肉:腓腹筋・ひらめ筋などのふくらはぎの筋肉
段差がある場所でおこなう「段差カーフレイズ」
腰を曲げた状態でおこなう「ドンキーカーフレイズ」
ダンベルをもっておこなう「ダンベルカーフレイズ」
うつ伏せの状態で片足ずつ交互におこなう「うつ伏せカーフレイズ」
座った状態で重りを利用しておこなう「シーテッドカーフレイズ」などのアレンジがあります。
ランナーの筋力トレーニングのポイント
ランナーが鍛えるべき筋肉

ランナーが鍛えるべき筋肉は「走る動作に関係する筋肉」です。
速く走るために「走る動作に関係する筋肉」の筋力を向上することによって、より速いスピードで、より長い時間運動することができます。
下半身:大殿筋・ハムストリングス・大腿四頭筋・腓腹筋・ヒラメ筋・股関節屈筋群
上半身:腹筋・体幹部・背筋・脊柱起立筋
などの筋肉が重要です。

筋力トレーニングの目的と回数

筋力トレーニングの目的と回数には以下のような関係があります。
最大筋力の向上:1~6回程度の回数(高負荷・低回数)
筋肥大(ボディメイク):6~12回程度の回数(中負荷)
筋持久力の向上:12回以上の回数(低負荷・高回数)
トレーニング目的に応じて回数と重量を設定するといいでしょう。
1セットでは充分な刺激を与えにくいので「3~5セット」程度に分割するといいでしょう。
セット間の休憩は「30秒~1分程度」を目安にします。
ランナーの筋力トレーニングの考え方

ランナーの筋力トレーニングは、筋肥大する「中負荷」を避けることがオススメです。
同じ体力レベルでは、体重が増えてしまうと、移動に必要なエネルギーが増えてしまうため、マラソンのタイムは悪くなります。
ランナーの場合は、筋肥大をおさえ、体重増加を避けながら、筋力を高めることが大切になります。
筋肥大する「中負荷」の筋力トレーニングを避けることをオススメします。
ランナーの筋力トレーニングの回数設定

ランナーの筋力トレーニングは「低負荷・高回数」または「高負荷・低回数」がオススメです。
マラソン競技では、長い時間、運動を続けることになるため「筋持久力」が大切です。
筋持久力を向上するために「低負荷・高回数」の筋力トレーニングをオススメします。
なお、ランニングでは100m程度の短い距離でも歩数(回数)は多くなるため、基本的には「低負荷・高回数」に分類されます。
普段からランニングやジョギングによって、自然と「低負荷・高回数」のトレーニングをしている人は、筋力トレーニングでは「高負荷・低回数」に設定して、いつもと違った刺激を筋肉に入れて、バランスをとるのも良いでしょう。
ちなみに、ランナーにおいて「高負荷・低回数」の筋力トレーニングがトレンドです。
ランナーに筋力トレーニングをオススメする理由
筋力が向上する

ランナーに筋力トレーニングをオススメする理由として「筋力が向上すること」があります。
ランニングも、からだの筋肉を動かす運動になります。
とくに、体幹、股関節・腰まわり、肩関節・肩甲骨まわりの筋肉などを総動員して「走る動作」が行われます。
マラソン競技においては、長い時間「走る動き」を続けるために、筋持久力などの筋力が重要になります。
筋力トレーニングをおこなうことで、筋力が向上し、より速いスピード、より長い時間、走り続けることが出来るようになります。
走りのフォームが安定する

ランナーに筋力トレーニングをオススメする理由として「走りのフォームが安定すること」があります。
筋力トレーニングによって、筋力が高まると、安定したフォームで走ることが出来るようになります。
フォームが安定すると、より少ないエネルギーで、より楽に、より効率的に、走ることができます。
いわゆる「ランニングエコノミー」が高まります。
ケガの予防

ランナーに筋力トレーニングをオススメする理由として「ケガの予防」があります。
今まで以上に速く走ろうとしても、筋力が不十分だと、筋肉や腱などへのダメージに耐えられず、ケガにつながる恐れがあります。
とくに、ランニングにおいては、地面に着地するときの衝撃を、複数回、長い時間受けることになります。
筋力トレーニングを行うことによって、ランニングにともなうダメージに強く肉体となり、ケガ予防につながります。
まとめ
今回は「ランナーの筋力トレーニング」について説明しました。
この記事によって「ランナーの筋力トレーニング」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
このブログの著者
