・食が細くて全然走れないです…
・体重コントロールしたいですが全然減りません!
・爆食いランナーですが大丈夫ですか?
この記事を読むことによって、食事を武器にして、マラソンのタイムを伸ばすヒントが見つかります。
私はドクターランナーの立場として、トレーニング内容だけでなく食事・栄養バランスなどを記録して研究してきました。
自分自身を実験台にした結果、食事を武器にするにあたって「食欲」について理解しておくことも大切だと実感しております。

自分の体の声を聞いて食事を色々と試すといいでしょう。
ご自身の今の体の状態において、必要な食事や栄養バランスを食欲・味覚などによって教えてくれます。
体から発する声をしっかりと聞いて、それに応じた食事をすることによって、大きく食事や栄養バランスを崩すことはないでしょう。

では、食欲はどのように調整されていますか?
今回は「食欲を調整するホルモン」について説明します。
食欲を高めるホルモン

グレリン
食欲を高めるホルモンとして「グレリン」があります。
グレリンは、胃から分泌され、空腹時に分泌量が増えます。
脳の視床下部にある食欲中枢を刺激し、空腹感や食欲を増進させます。
コルチゾール
食欲を上げるホルモンとして「コルチゾール」があります。
コルチゾールは、ストレスを感じると分泌されて、血糖値を上昇させます。
エネルギー源として高カロリーなものを食べたくなります。
プロゲステロン
食欲を高めるホルモンとして「プロゲステロン」があります。
プロゲステロンは、排卵後に黄体から分泌されるホルモンです。
女性の月経前に分泌が増加し、体脂肪を蓄えようとするため、食欲が高まります。
食欲を抑えるホルモン

レプチン
食欲を抑えるホルモンとして「レプチン」があります。
レプチンは、脂肪細胞から分泌され、体脂肪の量と比例して分泌量が増えます。
脳の視床下部にある満腹中枢を刺激し、食欲をおさえてくれます。
GLP-1
食欲を抑えるホルモンとして「GLP-1」があります。
GLP-1は、食後に腸から分泌されて、食欲を抑えてくれます。
また、CCK(コレシストキニン)も小腸から食後に分泌されて、食欲を抑えます。
PYY
食欲を高めるホルモンとして「PYY」があります。
PYYは、「ペプチドYY」のことで、消化管から分泌されます。
食欲を下げて、食事の量を抑える働きがあります。
インスリン
食欲を抑えるホルモンとして「インスリン」があります。
食事によって血糖値が上昇すると、インスリンが分泌されて血糖値を下げます。
そのときに、インスリンは脳の視床下部にも作用して、食欲を抑える働きもあります。
エストロゲン
食欲を抑えるホルモンとして「エストロゲン」があります。
エストロゲンは、女性ホルモンであり、過剰な食欲を抑える作用があります。
状況と食欲の関係
食事量

食事量が多いときには「GLP-1」「CCK」などのホルモンが腸から分泌されて食欲を抑えて、食べ過ぎを防いでくれます。
なお、実際には複雑な関係にありますが…
・タンパク質を摂取したときには「PYY」など
・糖質を摂取したときには「インスリン」など
・脂質を摂取したときには「レプチン」など
これら食欲を抑えるホルモンが分泌されて、栄養素のバランスなどを自然と整えてくれます。
脂質不足に注意
脂質不足になると「レプチン」が少なくなります。
レプチンが少なくなると、食欲が爆上がりし、食べ過ぎにつながり、体脂肪や体重が増加してしまいます。
ランナーの場合であれば、極端な高糖質食、過度な脂質制限ダイエットなどに特に注意しましょう。

ストレス

急性のストレスがかかると、交感神経が優位になって、食欲も低下します。
ただし、慢性的なストレスは、コルチゾールを高めるため、高カロリーなものを食べたくなります。
食欲をコントロールするために、ストレスをうまく管理することが大切です。
睡眠

睡眠不足によって、「コルチゾール」や「グレリン」が高まり、「レプチン」が低下するため食欲が高まります。
食欲をコントロールするために、十分な睡眠をとることが大切です。

月経周期

排卵後から月経前の時期は「プロゲステロン」が分泌されるため食欲が高まります。
反対に、月経後から排卵までの時期には「エストロゲン」が分泌されるため食欲は抑えられます。
女性の場合、月経周期に伴うホルモンの影響で食欲は変化しやすいです。
まとめ
今回は「食欲を調整するホルモン」について説明しました。
この記事によって「食欲を調整するホルモン」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
この記事の著者
