・もっと速く走りたいです!
・アスリートは食事が大事と聞きますが、どうすればいいの?
・タンパク質って何ですか?
この記事を読むことによって、食事を武器にして、マラソンのタイムを伸ばすヒントが見つかります。
私はドクターランナーの立場として、トレーニング内容だけでなく食事・栄養バランスなどを記録して研究してきました。
自分自身を実験台にした結果、食事の内容が「走りの調子」と強く関係することを改めて実感しました。
とくに、タンパク質の摂取量や質によって、コンディションに明らかな違いが表れます。

体づくりの材料である「タンパク質」は、
速く走るために必要な栄養素です。
タンパク質は、アミノ酸が結びついてできた物質であり、主に体の材料となる栄養素です。
20種類の「アミノ酸」の組み合わせによって「タンパク質」が合成されます。
数十個から数百個以上のアミノ酸が集まって、約10万種類と言われている「タンパク質」が作られます。
プラモデルの部品が「アミノ酸」
完成したプラモデルが「タンパク質」
みたいなイメージです。
「体をつくる材料」としてのタンパク質
ということで、今回は「タンパク質の働き」について説明していきます。
タンパク質の働き
エネルギー源になる

タンパク質の働きとして「エネルギー源になること」があります。
タンパク質は、糖質・脂質と並び、三大栄養素の1つであり、エネルギー源となります。
糖質や脂質によるエネルギー供給が不十分なときに、タンパク質(アミノ酸)がエネルギー源として使われます。
タンパク質は「1gあたり約4kcal」のエネルギーが発生します。
筋肉の材料になる

タンパク質の働きとして「筋肉の材料になること」があります。
タンパク質が分解されて、体内に消化吸収された「アミノ酸」を材料にして「筋肉」が合成されます。
筋肉は絶えず、合成と分解を繰り返しており…
体内のアミノ酸濃度が高まると、「筋肉の合成」が促進されます。(アナボリック)
反対に、アミノ酸濃度が低くなると、「筋肉の分解」が進みます。(カタボリック)
ボディメイクされている方は、筋肥大のため「アナボリック」な状態を目指すことになります。
反対に、筋肥大させたくないランナーの方は、ある程度のカタボリックを許容しながら筋力を上げていくことが重要です。
皮膚、爪、髪などの材料になる

タンパク質の働きとして「皮膚、爪、髪などの材料になること」があります。
タンパク質が分解されて、体内に消化吸収された「アミノ酸」を材料にして、皮膚、爪、髪などの体の構造が作られます。
タンパク質不足によって、「肌荒れ」「爪の割れ」「抜け毛の増加」などにつながります。
ホルモンの材料になる

タンパク質の働きとして「ホルモンの材料になること」があります。
ホルモンは、体の様々な働きを調節する物質であり、タンパク質(アミノ酸)や脂質などを材料にして作られます。
脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、膵臓、生殖腺などの内分泌腺でホルモンは作られます。
とくに、
ペプチドホルモン(アミノ酸が結合した物質)…成長ホルモン、インスリン
アミンホルモン(アミノ酸誘導体)…甲状腺ホルモン、アドレナリン、ノルアドレナリン
は、主にタンパク質(アミノ酸)を材料として作られます。
酵素の材料になる

タンパク質の働きとして「酵素の材料になること」があります。
酵素は、体の中で起こる様々な化学反応を促す物質です。
食べ物の消化・吸収を促す(消化酵素)
エネルギー代謝を促す
有害物質・老廃物の処理を促す
などの働きをします。
タンパク質不足のスパイラル
タンパク質不足から「消化酵素」が足りないと、食べ物からタンパク質を消化吸収を十分できない状態になります。
そのため、さらにタンパク質不足になってしまう「タンパク質不足のスパイラル」に陥る可能性があり注意が必要です。
神経伝達物質の材料になる

タンパク質の働きとして「神経伝達物質の材料になること」があります。
神経伝達物質とは、神経細胞同士が情報を伝達する化学物質です。
神経細胞は直接つながっていないため、シナプスという接点で「神経伝達物質」を使って情報を伝えているのです。
ドーパミン…意欲、快楽などに関わる
セロトニン…精神安定、幸福感などに関わる。メラトニン(睡眠物質)に変化する。
グルタミン酸…興奮性の神経伝達物質
γ-アミノ酪酸(GABA)…抑制性の神経伝達物質
グリシン…抑制性の神経伝達物質
などがあります。
タンパク質不足から「神経伝達物質」が不足すると、「メンタル不調」や「睡眠障害」などにつながります。
ヘモグロビンの材料になる

タンパク質の働きとして「ヘモグロビンの材料になること」があります。
ヘモグロビンは、赤血球に含まれるタンパク質であり、酸素と結合し、酸素を運ぶことができます。
鉄不足が有名ですが、ヘモグロビンの材料であるタンパク質が不足しても「貧血」につながります。
貧血になると、体に十分な酸素を運ぶことができず、マラソンなどの持久系スポーツのパフォーマンス低下につながります。
免疫機能に関係する

タンパク質の働きとして「免疫機能に関係すること」があります。
タンパク質(アミノ酸)は、免疫細胞を合成する材料になりますし、免疫物質を活性化する働きもします。
・グルタミン…免疫細胞(リンパ球、好中球)のエネルギー源となる。小腸粘膜細胞のエネルギー源にもなり、腸管バリア機能を維持する。
・アルギニン…免疫細胞(マクロファージ)を活性化する。一酸化窒素(NO)を産生し、免疫力を高める。
・シスチンとテアニン…この2つのアミノ酸を摂取することで、体内でグルタチオンが合成されます。
グルタチオンは抗酸化作用があり、免疫細胞を活性化して免疫力を高めてくれる。
タンパク質が不足すると、免疫力は低下し、風邪などの感染症にかかりやすくなります。
まとめ
今回は「タンパク質の働き」について説明しました。
この記事によって「タンパク質の働き」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
この記事の著者


