・最近、調子がいまいちです。
・常にだるい感じがします。
・伸び悩んでいます。
このような症状、じつは「低亜鉛血症」が隠れているかもしれません。
この記事を読むことによって、低亜鉛血症についてわかり、マラソンのタイムを伸ばすヒントが見つかります。
私はドクターランナーの立場として、自分自信やアスリートの血液検査をおこなって研究してきました。
調子が悪いアスリートの血液検査をすると、「低亜鉛血症」が隠れている場合が少なくないです。

アスリートは、定期的に血液検査を受けて、ご自身の状態を客観的に把握することが非常に大切です。
では、アスリートを苦しめる「低亜鉛血症」って何でしょうか?
ということで、今回は「低亜鉛血症」について説明していきます。
低亜鉛血症とは

低亜鉛血症は、血液中の亜鉛が低下している状態をいいます。
亜鉛は、体内で作ることができない「必須微量ミネラル」の一つです。
酵素の材料、酵素反応の活性化、ホルモン合成、ホルモン分泌調整、DNA合成・タンパク質合成・免疫反応の調整など様々な働きをします。
また、新陳代謝・エネルギー代謝の促進、免疫機能などをサポートする効果があります。
低亜鉛血症の症状

低亜鉛血症の症状として、以下のものがあります。
・全身倦怠感
・味覚障害、嗅覚障害
・食欲低下、口内炎
・皮膚炎、脱毛
・下痢 など
ランナーにとって死活問題である「貧血」の原因にもなります。
さらに、「骨粗しょう症」にもつながり、疲労骨折などの原因になることもあります。
低亜鉛血症の診断

低亜鉛血症は、血液検査によって診断します。
一般的基準値:80~130(ug/dl)
・60~80…潜在性亜鉛欠乏
・<60…亜鉛欠乏症
低亜鉛血症の治療
食事療法

低亜鉛血症の治療では、以下のような亜鉛が多い食品を積極的に摂取するようにします。
・カキ:13.2mg/100g
・豚レバー:6.9mg/100g
・牛肩肉:5.7mg/100g
亜鉛製剤の投与

低亜鉛血症の治療として「亜鉛製剤の投与」があります。
亜鉛製剤を学童~成人では50mg~150mg/日、幼児では25mg~50mg/日を目安に投与します。
「ノベルジン」という亜鉛製剤があり、処方される場合が多いです。
まとめ
今回は「低亜鉛血症」について説明しました。
アスリートの場合…
・思うように調子が上がらない
・疲れがとれない
・伸び悩んでいる
調子がいまいちな場合、血液検査で亜鉛も検査することをオススメします。
この記事によって「低亜鉛血症」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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